教師のコラム
数学の基本は、何と言っても「計算」です。
計算は、「必死で考えて何とかできる」レベルではなく、「深く考えなくても、指が動く」レベルが必要です。
野球で言えば、キャッチボール。
「瞬時に投げたいところへ投げられる」レベルでなければ、ゲームが成立しません。ゲームを楽しめませんよね。
単純な、足し算、引き算、掛け算、割り算で正解率が9割あるから大丈夫、と思っている子が多いですが、そう大丈夫でもありません。
例えば3桁ほどの割り算の筆算をひとつやろうとすると、1桁づつ商を立てていきますが、そのたびに掛け算をしたり、引き算をしたりしますから、単純計算は10回くらいすることになります。正解率9割ですと、どこかでひとつ間違うことになりますから、なかなか正解できません。
ましてや、中学の計算問題では、1問解くのに単純計算を20回や30回はやることになりますから、「小学校の時の算数の計算はよくできていたのに、中学の数学では、×ばっかり」ということになります。
計算力を上げるには、計算練習ですよね。
小学校で「計算ドリル」の習慣ができていると、中学でも計算練習はスムーズです。
とは言え、中学生くらいではまだ、計算練習を自ら課してできる子はほとんどいません。特に苦手な、小数とか、分数とかとなると・・・
そこで、講師がコーチになって、練習メニューをつくってトレーニングをします。
初めは面倒くさがっていても、自分が解けるようになるのを感じ始めると、やる気が出てきます。やがて中には、「特打ち」を志願してくるようになる子もいます。
最近は、計算はよくできるのに、文章問題が苦手、やりたくないっ、という子が多いです。
数学ができないのではなく、文章問題の問題文が求めていることがわからない、というケース。
原因は、まず、文章読解能力。
2、3行の日本語を理解できない、という子が増えています。
これは国語力と関連しています。(コラム第13回もご参照ください。)
それから、社会常識が原因の場合。
これは子どもの問題、というより、社会の変化で世間の「常識」自体がどんどん変わっていく、という事情もあります。
ある日、買い物を題材にした文章問題で、なかなか式を立てられない子がいたので、ヒントを出しますが、わかってもらえません。どう説明すればいいのか考えていたら、「『おつり』って何ですか?」と聞かれました。
聞くと、いつも買い物はスマホでピッとやるので、現金をやりとりしたことがない、というのです。

この子に社会常識がない、と言うべきなのか、この数学の問題が時代遅れ、と言うべきなのか。
こういうことは、最近増えてきていて、講師はそこを感知して解説します。
国語の読解練習を並行して行うことが必要なこともあります。(第13回もご参照ください。)
入試問題レベルの難しい問題に挑むときは、講師に聞きながら、考え方を学びます。
そのとき、お互いの頭の中の思考過程を見るには、図や表が有効です。
特に、「4マス関係表」は、非常に優れたツールです。「考え方のどこでつまずいているのか、どこで勘違いをしているのかが、紙の上でわかります。

数学は、単に正しい答えを出す科目ではなく、「思考過程を表現することを練習する科目」でもあります。
講師とのやりとりで、こうした自分の頭の中の思考過程を表現をするのに慣れていきます。このスキルは、社会に出ても大事ですよね。

