第8回 高校1年が、大学受験の天王山!

教師のコラム

高校1年の履修教科が大学受験を大きく左右する。

進学を希望する高校生の場合、受験勉強はいつから始める? 3年でしょうか?
いえいえ、一番気合いを入れるべきなのは1年です!

それは、多くの大学で1年の学習内容を受験科目に指定しているからです。
特に国公立大学では、理系でも、1年の社会科目を必須にし、逆に文系でも、1年の理科科目を必須にしていますので、逃れられません。

 

1年の勉強がよくできた人は、大学選びがラクです。
反対に、1年の勉強ができなかった人は、志望校の受験科目にあるから、と、3年になってから1年の苦手科目をやり直すしかないですが、この時点で出遅れてしまいます。

3年の内容と並行して勉強しなければなりませんから、どうしても数ヶ月余計にかかってしまいます
そのあと、実戦的、総合的な問題演習を、と思っても、そのときすでに受験が目の前まで来ている! ということになります。

一方、1年の内容を軽い復習でいける人は、夏からもう実戦問題に入れます。この、伸びる時期の数ヶ月の差はとても大きいのです。

出遅れてしまうと、現役で合格するためには、受験科目の少なくて、自分の得意科目で受けられる私立大学を中心とした受験にせざるを得なくなってしまいます。

 

1年のときは、とかく、自分の進路がわからないので勉強に身が入らない、となりがちですが、3年になってからのことを考えると、選択肢を広げられるように、1年の時こそ懸命に勉強すべきなのです。
(結果的に受験に使わなかった教科も、決してムダになりません。大学入学後の勉強で役立ちます。さらに、社会人になってからも。)

 

そして、もうひとつ受験の決め手となるのは、英語です。
英語は、ほとんどの大学で、理系でも文系でも必須です。
英語を苦手にしてしまうと、大学受験の可能性自体がしぼんてしまいます。

2021年1月に共通テストが始まり、英語の問題傾向が大きく変わったことが話題になりました。読解問題が増えた(というか、読解問題ばっかりになった)のです。
せめてこうした傾向の変化に対処できるように勉強を進めていきましょう。
(英語の勉強については、回を改め、少しずつ話題にしたいと思います。)

ただし、これまでもそうですが、入試制度というのはコロコロ変わります。
記述試験がどうなるのか、外部試験がどうなるかは注意しておく必要があります。

 

さて、では高1をよくわからないまま過ぎてしまった! という高校生諸君は、どうしたらいいのでしょう?
天王山で出遅れたとなると・・・

関ヶ原に備えましょう! 時は戻せない。

 

 

(個人的には、共通テストへの記述試験導入などの議論は、1970年代の議論の蒸し返しのような気がします。あの頃延々と続いた議論の結果、ひとつの試験で受験生を評価するのには無理があり、「共通一次試験と各大学の二次試験のセット」が可能な範囲で最善な方法として落ち着いたと記憶しています。

もっとも、AI が格段に進化して、何万人という受験者の筆記答案を正確に読み取り、非の打ちどころのないほど公平な判定を数日のうちにできるようになれば、新たな展開があるかもしれませんが。)