第3回 いまどき漢字って大事なの?

教師のコラム

あとからわかる、漢字のありがたさ。

小学生も高学年になってくると、「なぜこんなに面倒くさい漢字の練習をしなければならないの?」と不満をもらしますね。スマホの画面を指でスッスッとなぞれば文章を書けることを知っていますから。(タブレット活用の授業になったら、なおさらでしょう。)

 

漢字を一字一字ていねいに覚える子と、面倒くさがっていい加減にする子では、徐々に大きな差になっていきます。
漢字が苦手になってしまうと、文章を読むのが面倒になり、深く読もうとしなくなります。そして、読む力や書く力に支障が出てきてしまいます。

 

これは端で見ていてもなかなか気づかないのですが、文章をまじめに読んでいれば、内容を分かっているのだと思ってしまいます。ところが、内容について尋ねてみると、全然別の話になっていた、ということがよく起こります。どこで間違えたのか聞いていくと、漢字の意味を間違って取っていることが多いです。

 

漢字というのは一度覚えてしまえば、知らない言葉でも漢字から意味を類推できるので、とても便利です。
ところが、漢字を正確に覚えていない子は、同じ文章を読んでも、まったく意味を取り違えていたりします。怖いのは、話がキテレツな流れになっていても、ヘンだと思わないことです。

 

さらに、漢字の書き順や、トメ、ハネ、ハライにまで気をつかって練習する子は、観察力が強く、小さな違いに気づけるようになります。これは、文章を読む上でも、複雑な数式を計算する上でも、大事な能力になります。
例えば、筆算の繰り上がりの数字、分数を約分した数字などをハッキリと書く子は、計算ミスが少ないです。
中学へ行けば、正負の符号、累乗の指数、高校では、微分・積分、化学反応式、と、細かい文字はどんどん増えていきます。

 

理科や社会の用語は、漢字を見れば、その内容をそのまま表していることが多いです。初期微動継続時間、男女共同参画社会基本法、・・・。
漢字が苦手だと、この漢字の意味する内容がイメージできず、ただの難解な記号に見えるようで、「何度繰り返しても覚えられない」と言います。

 

講師の目から見れば、早くから「面倒くさい」漢字の練習をしておくと、あとでとってもラクだし、お得になることも分かるのですが。