第1回 対話型学習のねらい

教師のコラム

対話型学習のねらい

「個別指導」と聞くと、説明を個別に受けるだけなら、ネット配信の授業でもいいじゃん、と思うかもしれません。
(確かに、ネット配信の授業には優れたところがありますね。)

 

対話型学習が他の学習法と違う点は、(当たり前ですが)講師に向かって質問することができる、ということです。
この何でもないような行為に、学力向上の鍵があります。

 

対話指導図

 

質問をする生徒さんは、まず、自分の疑問点を言葉にして、頭の中で整理することになります。この頭の中の作業で、自分の勘違いに気づいたり、自分が思っていた以上に理解していなかった、と気づくことがあります。

 

そして、答えてくれる講師の言葉を理解するためには、相手の考え方に沿ってものごとを考える必要があります。そのとき自分の視点を広げることになります。

 

逆に、講師が生徒さんの理解度を探るために、生徒さんに尋ねることもあります。生徒さんから口頭で答えやその説明を聞くと、その生徒さんの理解度がよくわかります。つまずいている点がわかります

 

また、隣り近所の席で友達が講師にしている質問を聞くと、自分とは違う考え方に出会います。

 

このように、対話を通して多角的な考え方をし、学習内容をより深く理解していただくのが、対話型学習のねらいです。
さらに、対話で話題になったこと、言葉に出して話した話題は、非常に印象に残りやすいので、ものを覚える足がかりになります。

 

学校の授業、印刷物の教材、動画教材、そして個別の学習塾。どれがいい、というより、それぞれのいい点を見分けて、必要なものをうまく使うのが、ネット時代の勉強スタイルではないでしょうか。